| アーティスト特集 第2弾 ドリーム・シアター 第二回
『When Dream and Day Unite』は、1989年にリリースされた。だが、バンドが期待したより、随分振るわない結果となった。メタル専門レーベル「メカニック」は、結局バンドとの契約の大部分を破った。そのため、彼等はニューヨーク近辺でのみプレイする事を余儀なくされる。このアルバムのプロモーション・ツアーも僅か5回のコンサートが行われたのみだった。そして、その場所もニューヨークとロードアイランドに絞られた。 このツアーの際、チャーリー・ドミニシ(Vo.)は解雇される。4回目のギグを経ての事だ。理由は、個人的な問題と、他のメンバーとの音楽性の相違である。しかしながら、そのすぐ後に、マリリオンはドリームシアターにニューヨークのthe Ritzにてギグを要請した。そこで、ドミニシは最後の歌う機会を与えられる。 ドミニシの後は、不動のヴォーカリストを得るまでに、2年の歳月を要した。 このアルバムのレコーディングは、フィラデルフィアのカジェム・スタジオでなされた。同時期には、シンデレラやクイーンズライチがレコーディングをしている。プロデューサーには、テリー・デイトを起用した。 ラッシュ テリーは、初期のラッシュの名作を全てプロデュースしたラッシュ4人目のメンバーとも言われる人物である。ラッシュのドリームシアターへの影響は大きい。 ジョン・ペトルーチ(G)は、ラッシュのアレックス・ライフソン(G)に影響を受け、リスペクトしている事を公言している。アレックスのオープンで鳴るコードなどアプローチの一つ一つが好きという。そして、アレックスの誇示しないところを尊敬しているという話だ。 因みに彼が、世界で最も好きなギター・プレイヤーは、ドレッグスのスティーヴ・モーズであるという。あらゆる面での生けるモデルと話す。 ドリームシアターの音楽性 ドリームシアターはプログレッシヴ・ロックである。当然の事ながら、テクニカルである。メンバーそれぞれが、主張をしており、いずれも劣らぬテクニックの持ち主である。変拍子が多かったりと、初心者の方には取っ付きが悪い事もあるだろう。だが、しばらく聴いていると、その複雑な曲の展開が次第に心地の良いものとなってくるのが実感できる。 ギターとベースの音数の多い絶妙な絡み。そしてそれは、同時にメロディアスであり、ソウルフルなのである。ヘヴィな曲から、透き通るような胸を打つ曲まで幅は広い。 初期のこの一枚は、後の作品と較べると荒削りな感も多少ある事は否めない。 1曲目。「A FORTUNE IN LIES」。変拍子が目立つ非常にドリームシアターらしい曲。Aメロの出だしからの緊張感のある歌メロがいい。同時に刻まれるギター、ベースの絡み、ドラムのビート。拍子の展開が兎に角めまぐるしい。ベース・フィル・インなども印象的だ。キーボードが、楽曲の土台を形成し、曲全体をうまくサポートしている。 2曲目。「STATUS SEEKER」明るく爽やかなメジャー調のメロディ出だしのイントロ。それが、マイナーへと転調し、シリアスなメロディが展開される。ソロのパートでは、ベースが宙空を舞うが如き、浮遊感を漂わせる土台を形成している。そこに緊張感があり、シリアスな曲調のギターソロが展開される。 4曲目。「THE KILLING HAND」。厳かな悲しみを漂わせるクラシック・ギターで始まる。その後は、厳粛な雰囲気の曲調が展開される。5章より構成される組曲であり、やはりドリームシアターらしいのである。 5曲目。「LIGHT FUSE AND GET AWAY」イントロが長い。歌メロに入るまで2分を経過する。やはりこの曲も展開がかなり複雑である。 4分ほど経過した辺りからのソロの部分は傾聴に値する。ヴォーカルパートが終わるとまず不思議なギターがキーボードと共に始まる。それが呼び水となり、そのままキーボードが、これまでの空気を変え、不可思議な神秘空間を形成する。ファンタジーであろう。そこにリバーブのかかったギターが展開されてゆく。メロディアスなソロパートである。 8曲目。「ONLY A MATTER OF TIME」イントロのメロディが遠い見知らぬ国に意識を飛ばせてくれる。またエンディングが涙物である。
2005年7月 akira
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