| アーティスト特集 第3弾 ハロウィン 第三回
1990年、ハロウィンは、もっと大きなレーベルに移りたいと考えていた。それはEMIレコードにであり、ロッド・スモールウッドに率いられたサンクチュアリ・グループのマネージメントにである。ロッドは、アイアン・メイデンを育て上げた人物であった。 現実に行動を起こしたハロウィンに対して、ノイズ・レコードは、契約を破ったとして訴訟を起こす。そのため、公的活動を禁じられ、ドイツ、イギリス、日本以外でのリリースは数年不可能な状態に陥っている。これにより、他の国々、特にアメリカにおいて、ハロウィンに何が起こったのかと当惑させた。 マーカス、ヴァイキーは契約破棄しようとした理由を次のように述べた。バンド以外の何者かが不当に金を儲けていたからだと。音楽ビジネスの世界では、しばしば耳にする話であり、新人が経験するものだ。 1991年に、バンドは『PINK BUBBLES GO APE』をリリースした。これは、初めてトミー・ハンセンではない人間にプロデュースされたアルバムである。同時に、初のシングルカットも出されている。ここには、バンドがKEEPERU以来、三年も何をしていたのか?という説明が付されていた。 しかし、この作品は、ファンとメディアの眼中に入らず終いに終わる。このアルバムの後に、バンドが解散するという噂があったためである。バンド自身も、この作品に不満足を感じていた。殊にヴァイキーのそれは顕著であった。同時に、バンド間にも緊張が走り始める。キスクとインゴ、そしてもう一方のローランド、ヴァイキー、マーカスの間に溝が生じていた。 1993年には、『Chameleon』を出した。過去最低のアルバムと呼ぶ人もいるアルバムではあるが、音楽的には優れた出来映えである。ファンの間には人気がないのは事実で、それはメンバー間の緊張状態も関係していよう。 インゴは、ドラッグとアルコールに浸るようになり、病気となった。そのため、ツアーでは、一時的な代用としてリッチー・アブデル・ナビが起用された。ツアーは不成功に終わる。その後、バンドは、しぶしぶながらもインゴにバンドの脱退を促した。 ついには、マイケル・キスクもバンドを去った。だが、これにはマイキーとヴァイキーの間に矛盾を孕んだ話が提出されている。マイキーは、辞めたのか、解雇されたのか…。いずれにせよ、共に仕事を続ける事が不可能であったという点では一致している。 マイキーの代替を見付けるのに時間はかからなかった。ヴァイキーが最も愛好しているバンドの一つであったピンククリーム69からアンディ・デリス(Vo)を迎えたのだ。このバンドもハロウィンと同様に人間関係に問題を抱えていた。 またリズムセクションには、ガンマ・レイからウリ・カッシュ(dr)を迎え入れた。ガンマレイもまた、人間関係のトラブルがあったのだ。 マイキーは脱退後、ガンマレイでの空きポジションにつくという噂も流れた。マスコミが躍起になって噂をでっちあげた。また、ブルース・ディキンソン脱退後のアイアン・メイデンで、フロントマンを務めるか?という噂も流れた。だが、単なる噂にとどまった。 ハロウィンは歌詞の良さにも定評がある。西欧諸国は、人々の問題意識の高いため、社会問題を題材にする彼らに耳目が集まった。 1.FIRST TIME ノリがよく、ポップな曲。アニメソング的なカッコ良さも含むキャッチーなメロディ。 2.WHEN THE SINNER 80年代っぽい曲。ギターからベース、シンセに至るまで80年代サウンド、バリバリや。ジャーマンメタルらしからぬ名曲だ。ブラスが明るさを出している。 3.I DON’T WANNA CRY NO MORE 死んだ友を淋しく思うという歌詞。アコースティックな曲で、寂寥感と同時に一抹の清清しさが漂う曲。 4.CRAZY CAT ロックンロールな歌詞。欲望やイカサマにはまり込んだヤツのお話。派手なブラスでブロードウェイ気分が味わえる。 5.GIANTS よくありがちなミドルテンポのナンバー。凡庸だが基準は満たしている。 6.WINDMILL ヴァイキーの曲である。歌詞、楽曲共に手を抜いてあるようにも感じられる脱力感がある。夢に打ちひしがれたという話。 7.REVOLUTION NOW 社会的な問題を歌っている。68年当時は、人々は自由を求めて闘っていたという。これはヒッピームーブメントの事を指しているのだろうか?彼らは自分の子供がネクタイを締めるとは思わなかった。同時に性的な解放が叫ばれ、今はエイズとゴムの蔓延。サンフランシスコに行けば、壊れた人々を見ることができる。 水が汚染されていない時代もあった。子孫のためにできることとは何か? 今こそが革命の時である。 9.MUSIC 音楽に対する思いが語られている。そして音楽で身を立てるという事を。 〜〜子供の頃は、何らの目的もなく生きていた。経験もなかった。ある時、音楽はrising sun (日の出)のようなものだと悟った。 時が過ぎ、多くの友人を失ってきた。取り返す事はできない。そんな時でも音楽は、sunriseのようなものだった。音楽を聴くと、タイムマシンに乗って旅をするような気分になる。自宅に戻ったような安心感。 いつも不安を感じていた。今でも時々そう感じる。だが、ハラを決めた。俺の立つところを見てくれ。 時々自問する。それほどの価値があるものか?飛ぶ事は、再び凋落する事ではないか?と。 BUT MUSIC…〜〜 10.STEP OUT OF HELL 地獄の状態から脱け出せ!と示唆している。明日へ向けての研究を始めろ!と。手を差し伸べたい。だが、俺に助けられるかな?と言う。つまり、自発性を促している。 楽曲は、爽やかで元気が出てくる。 11.I BELIEVE 約9分の曲。 12.LONGING マイケル・キスクの遺作となった。その悲しみが表されているわけではないだろうが、そうした響きがある。
2005年12月 akira ← Back 「第二回 ハロウィン 活動初期』」 へ |
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