アーティスト特集 第3弾 ハロウィン

第五回

ハロウィン
『BETTER THAN RAW』時期 1997〜1999年




1997年ローランド・グラポウ(G.)は、彼のファーストソロアルバム『The Four Seasons of Life 』 をリリースした。このアルバムには、「I REMEMBER」というラルフ・スキーパーをフィーチャーしたシングルカットがあった。アンディ・デリス(Vo.)も『Come in From The Rain』なる初ソロアルバムを出している。シングルカットに「1000Years Away」と「Goodbye Jenny」がある。これは彼の大切なお婆ちゃんについて歌ったものだ。

お婆ちゃん・・・デリスも大切にしていたようだから皆も大切にしよう!


1998年には、『The Pumpkin Box』というボックスセットが発売されている。これは、1985年から1993年までのBESTな素材を含んでおり、インタヴュー付きの4枚組みアルバムである。3月には、オリジナルアルバム『Better than Raw』が発売された。このアルバムは、ファンからも非常に高い評価を得ている。



1999年は、ローランド・グラポウのソロアルバム『Kaleidoscope』がリリースされると同時に年が明けた。彼は、このアルバムによるヨーロッパやブラジルでのツアーを成功に収めた。マーカス・グラスコフ(B.)は、『Shockmachine』という彼のサイドプロジェクト作品をリリースした。この企画には、ドラムにウリ・カッシュがフィーチャリングされている。

ウリ・カッシュ自身は、“レインボー”のトリビュートアルバムに参加していた。この作品は、ジャーマンメタルシーンに名だたるメンバーによって制作されたものである。

前ヴォーカリスト、マイケル・キスクはセカンドソロアルバム『Readiness To Sacrifice』を上梓した。

ハロウィンは、彼ら自身が愛好してきた60、70、80年代の音楽のカバーアルバムを、『Metal Jukebox』という形で発表している。ここでは、メタルやパンクのみならず、メタル普及以前の曲まで扱っている。例えば、「Space Oddity(デヴィッド・ボウイ)」「Lay All Your Love On Me(Abba)」「He’s a Woman She’s a Man(Scorpions)」他9曲ほどである。

1999年は、アンディ・デリスが、セカンド・ソロ・アルバム『Done With Mirrors』をリリースした年でもあった。

この年は、他に日本人向けに、『カラオケリミックスvol.1vol.2』という珍妙な作品が提出されている。これらは勿論、ハロウィン楽曲群のカラオケヴァージョンである。非常にメタルらしからぬ感覚を覚えるのは否めない。Vol.1は古いもの、vol.2は『Master of the Rings』から『Better Than Raw』までをカバーしている。


楽曲解説

『Better Than Raw』

1.DELIBERATELY LIMITED PRELIMINARY PRELUDE PERIOD IN Z

ファンタジー系RPGのような曲。批判者の中には、ハロウィンには似つかわしくないという人もいる。ラプソディのように、クラシックが曲の基調にあるバンドには似合うという意見だ。これには賛否両論があるだろう。

2.PUSH

曲頭からデリスのハイトーンヴォイスが炸裂し、飛ばしまくっている。非常にアグレッシヴなパワーメタルを顕現している。

3.FALLING HIGHER

ハロウィンらしいメロディ。哀愁も漂う。ハロウィン独特のギター。ヴォーカルがデリスに代わって以来、よく見られる曲調。

4.HEY LORD

パワーメタル系のアルバムに必ず一、二曲はあるお決まりのミディアムテンポナンバー。途中、唱歌的な歌メロディがある。

5.DON’T SPIT ON MY MIND

ミドルテンポ。ギターリフの中に、メタルらしい戦慄感を含んでいる。

6.REVELATION

クリスチャニティ的な神聖さを感じさせるようなイントロ。早い曲。際立った歌のメロディは見られない。8分を越えるこのアルバム最長の曲で、多少プログレッシヴな展開があるが、凡庸な曲。だが、後半のギターソロには、感動的なメロディが聴ける。

7. TIME

ギターアルペジオに始まり、物語を語るようなデリスのヴォーカルが重なってくる。

8. I CAN

歌メロディ主体のナンバー。独特のリフというかリズムギターの刻み。ギターソロは典型的とはいえ、なかなかイケル。Bメロの歌メロとギターのダウンストロークが良い。古臭い感じがあり、懐かしい感じがする。サイケデリック。ここがいい。最後半のギターのアルペジオが余韻を残す。

曲全体の印象としては、哀愁に加えて、靄のかかったような世界へフィードアウトしてゆくような脱力感がある。

9. A HANDFUL OF PAIN

出だしでデリスが低音を聴かせてくれる。マーカスのベースとの絡み。

10.LAVDATE DOMINVM

ラテン語で書かれた歌詞。ハロウィンらしい曲調。


                                                   2006年1月akira 




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